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本来は狭心症の治療薬だったシルデナフィル

2020年03月26日
カプセルが乗っているスプーンと葉

男性であれば一度は耳にしたことのあるバイアグラ、世界で初めて承認されたED治療薬なのでその知名度の高さはダントツを誇ります。
ED治療薬の代名詞的存在と言っても良いほどの存在です。
その主成分はシルデナフィルになりますが、意外なことに当初はEDではなく狭心症の治療薬として、1198年にアメリカのファイザー社より発売されました。

人間の心臓は生命維持のために1日あたり10万回の拍動と続ける、ポンプ機能を果たしている器官ですが、そのエネルギー源となっているのが心筋を取り囲むように走っている冠状動脈になります。
冠状動脈が心筋に栄養を供給することでポンプ機能が動き生命を刻むことが出来るのです。
しかるに加齢にともない血管の内壁にはコレストロールが蓄積し、動脈硬化となり血管内部は狭くなります。
この現象が冠状動脈でも生じることで、心臓を動かす血液が不足し、心筋虚血になってしまいます。
これが狭心症のメカニズムで、心筋虚血が生じると胸の痛みや、息苦しさを感じる発作にみまわれることになるのです。

狭心症はこのように、冠状動脈の動脈硬化が進行することで、血流が悪くなることで狭心症になってしまうので、この血管を拡張しようとの趣旨で開発されたのが、シルデナフィルになります。
その後狭心症治療に使用される過程で、血管拡張作用が海綿体への血流を増加させることで、勃起機能の回復などED治療に役立つことを示唆するデータが報告されたため、ED治療の為の効果を検証する臨床試験が繰り返されました。

臨床検査の結果、シルデナフィルの投与量が増加するに比例して勃起機能の改善が見られ、月あたりの性交回数も投与群では平均5回強でったのに対して、非投与群では1.5回でした。
一連の江臨床試験の結果、シルデナフィルは男性器の勃起力を回復増強する効果をもつことが、科学的エビデンスに基づいて明らかになり、アメリカにおいてファイザー社製のバイアグラ(シルデナフィル)が世界初のED治療薬の承認を得たわけです。

ED人口の増加で進化する治療薬、その最新事情は?

現在の日本では1100万人をこえる数の男性がEDの悩みを抱えていると推定されています。
性機能の低下は「年のせいだから仕方がない」と考えている人も多いようですが、単純な老化と断ずるのは早計です。
勃起機能が十分に発揮するためには、海綿体に血液が十分に流入するために、血管の柔軟性が確保されている必要があります。
しかし動脈硬化が全身の血管で進行することで、冠状動脈や大動脈だけに限らず、海綿体やその周辺の血管でも同様の現象が起こることが、EDの原因にもなっているのです。

勃起機能の障害の程度には軽重があり、先ほど上げた1100万人と言う数字は、中等度以上のED患者に限ったものです。
「たつけれども強度がすこし足りない」といった軽症患者を含めるとこの数字は更に多くなるものと考えられています。
高齢化が進み、性生活をもつ年齢も高くなることが推定されるのでED患者数は増加の一途をたどり、これから先もこの傾向が継続するものと見られているのです。
そのためED治療の新薬の開発も活発になっています。

男性器の勃起力を必要なときに増強できることが治療薬の理想な姿ですが、従来の薬ではいちいち水で服用する必要があり、タイミングを逸することが珍しくありませんでした。
そこでシルデナフィルのジェネリックのなかには、ラムネ錠のように口の中で溶け、水なしで服用できるOD錠と言ったタイプが登場しています。
さらに2016年にはフィルム状のシルデナフィルもお目見えしている訳です。
これは舌の上に乗せる薄いフィルムの形状で、水無しで服用できるだけでなく、薄く嵩張らないので財布に入れて持ち運ぶことが出来ると言う特徴を持っています。
このようにシルデナフィルはより使い勝手が良いように進化を続けているのです。